001    中秋の名月と萩の花     2004年 長月の頃

 2004年の中秋の名月は 9月28日 でした。 その日を挟んで3日間、9月27日から29日
まで向島百花園では 「月見の会」 が開催されました。

 園内、東屋(あずまや) では立礼の野点が披露され、どなたでも気軽にお茶とお菓子が
頂けます。 また、茶席券を購入すれば、お成り座敷のお茶席へ入ることも出来ます。

 園内には、お月様にお供えをする 「祭壇」 が設けられ、今年も27日の夕刻
茶亭・さはら 七代目佐原鞠塢(きくう) の手により、大きなお月見団子が供えられました。


     そして、薄暮の中に響く お琴の調べに誘われるように
                     まんまるの明るい大きなお月様が・・・・・・・・・

 のはずでしたが、本年は台風21号の影響で、27日と29日は一日中の雨と風。
でも、お月様も満月の日には その自信たっぷりに輝く姿を見せたかったのでしょう
28日だけは 雨に洗われた夜空に くっきり上がったお月様を愛でることができました。


 私はこの「月見の会」の間に お成り座敷 芭蕉庵 で開かれた 毛塚政雪先生のお席を
お手伝いさせて頂きました。 27日のことでした。

 床の掛け軸は 三井財閥の総帥でありまた大茶人でもあった 益田鈍翁(どんおう)
長男婦人 益田貞子の消息 つまりはお手紙を表装したものでした。
 竹製の花入れは その形から 「曳舟」 と呼ばれるもの、蓋置きは 百花園焼き(すみだ
がわ焼き) の 「都鳥」 と、この地・百花園でのひとときを楽しめるお席でした。


 この日のお花は ススキ・むれちどり・うめばち草 。
うめばち草の鉢植えから切り取られた2輪の花は すっきりといけられておりました。
残った鉢植えを 「うめばち草は梅鉢屋さんに」 というご亭主のお言葉に甘え、頂戴し
店の庭に移しました。
新しい花を咲かせてくれることを楽しみにしているところです。



この時期の代表的な花に
 『萩』 があります。
  

  これは百花園の名所
       「萩のトンネル」です。
  今年の6月頃の様子です。
  昨年から生い茂った萩の枝は
  新しく伸びる今年の枝のために
  刈り払われています。 萩のことを
  「胡枝(こし)」とも言うそうです。
    萩のトンネルには
      『胡枝花洞(こしかどう)
  という呼び名も有ることを
  ご存じでしょうか?


  同じ 「胡枝花洞」 を9月の
  末頃に撮影したものです。
  夏の陽を浴びて育った枝に紅白の
  花が咲きそろい、殿方は頭を 
  屈めないと通り抜けられない程に
  生い茂っています。  



梅鉢屋の近くには、百花園と並び
萩で有名な 龍眼寺 があります。
元禄の頃、当時の住職が萩を植え
たことから、「萩寺」 と呼ばれ
江戸庶民も萩の花見に多く訪れた
寺だそうです。




    江東区亀戸3-34  龍眼寺
        2004年 10月初め
  


 暑かった夏の名残で残暑の厳しい 2004年の長月でしたが、そろそろ朝晩の空気の
冷ややかさを感じるようになりました。


 次回のご紹介を楽しみにして頂ければ幸いです。


最後に、この時期に見つけたさわやかな花をひとつご紹介いたします。
雨上がりの百花園で見つけた 「ジンジャー」 ショウガの花です。
白い花に顔を近づけると清々しい香りが染みいるように漂います。






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